中村ゼミ作品一覧
自然物と人工物の交錯した世界と動物の在り方
アソウ ユイ
人間は常に場所という制限下にある。
その点猫を見ていると、彼らの世界では人間が作り出した制限や法則は特に障害にはなっていないことがわかる。むしろ人間社会に1番順応し溶け込んでいる動物とさえ言えるのではないか。彼らの自由奔放な姿はどれだけ人間が細かな区別や制限の上で生きているかを映している。




内と外の世界
ウエガキ タエ
私たちが日々を送る中で目にする様々な風景、その中に隠された「フレーム」。
「フレーム」を境界と見立て景色を見つめ直してみれば、まるで違う世界を覗き見ているような、不思議な感覚を覚える。本作ではその効果に注目し、それぞれ「洞窟」「窓」「門」を境界とし、内と外の世界を表現した。




憧憬
オグラ カナ
「憧れ」に対する感情を「瞳」で表現したいと考え、油絵・銀筆画・鉛筆画での制作に至った。
自身にとって「憧れ」という存在は時に憎しみに変わってしまうことがある。本作ではそのような人間の愚かさや儚さをそれぞれの技法で表現した。一体誰が何に対して憧れを抱いているのかはそれぞれの解釈に委ねたい。




まぶたの裏
タナアミ リオ
夏といえば何を思い浮かべるだろうか。幼い頃の夏休みを思い返すと、何のしがらみもなく無邪気に過ごしていた記憶がよみがえるだろう。しかし大人になった今、もう「あの夏」は存在しない。そこで、この作品では「鑑賞者自身の記憶」をコンセプトに制作を行った。絵画を通して自らの思い出を追体験し、ある種のノスタルジーに浸ってもらいたい。




花札
マツカワ メイ
小学生の頃から慣れ親しみ、共に遊んだ家族との思い出が詰まっている「花札」。
忘れていたとしてもふとした瞬間に存在を思い出して懐かしさと何より「花札」が面白かった記憶を自分に与えてくれる。自分という個を構成しているものであり、より身近であった「花札」を役を用いて表現した。花札の中心にあるのはやはり人間である。




Midnight Sun, Morning moon¿
ヤマムラ ミノリ
不安と焦燥で眠れない午前2時。視界の端に捉えた光を辿っていけば月が笑っていた。誰のためでもなく、輝いてる事さえ知らず。夜風は冷たいが、頬を優しく撫でるかのように吹いた。風が朝を連れてきた。なにも知らずに太陽は、鬱陶しくも愛と光を与えた。二度と来ないたった一瞬を愛せるようになるまで、歩を進める。




「自分」とは何か
ワダ モトノ
「自分」とは何だろうか。それは様々な影響によって、常に変化する可能性を秘めた流動的なものである。作品を制作するにあたり、他者からの視線によって固定化される個人の要素を排除し「自分」とはどのような存在であるかを表現することを意識した。姿形などの表面的な情報のみで「自分」を語ることは不可能なのだ。




少女製のゾートロープ
ミカミ サヤカ
ふいに少女が顔を上げると、目の前にあったのは星明かりに照らされた学校の校舎。「早く来ないと置いていくよ!」自分を呼ぶうさぎを追いかけて、少女のちいさな夢の旅がはじまります。赤いペンキで塗られた白い薔薇は二度と美しい姿には戻れないのです。
〈絵本の本編は会場にてお楽しみください!〉

トゥインクルコンプレックス
ミカミ ヒナ
内気な性格の少女は社交的で明るい性格の双子の姉にコンプレックスを抱いていた。ある日姉からの頼みで入れ替わりをし、お互いの学校へ行くことになる。そこで姉の友人関係に問題があることを知り、少女は問題解決に携われないかと悩む。様々な人の想いを知る事で少女の気持ちに変化が生まれる。見た目がそっくりな双子だからこその憧れや葛藤を描いた物語。
〈漫画の本編は会場にてお楽しみください!〉
